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​狼と鼬

「狼と鼬」と書かれた埃のかぶった小冊子。
日々の生活の出来事や、愚痴、そしてこの随筆を書いた人物が愛したであろう人物との思い出が綴られている。

​これは昔の誰かが書いた随筆。

もう変わることのない物語。

CHARACTER

​登場人物紹介

​STORY

​東亜系マフィアに所属する狼(ロウ)とそのパートナーの鼬(ヨウ)。二人と仲間たちのアウトローもどこかほのぼのした日常を切り取った物語。

Backbone

狼が歳での生活を綴った日記。その日記の記録を描いたもの。その大半が幸せな記録で埋まっているが、最後は歳の崩壊と死別した愛人への未練が書かれている。

すべて日記の記録の物なので、結末は変えられない。

すべては記録。

輝かしい過去も、仲間が床に転がされていくのも、愛人が埋葬されなかったのも。

​すべては変えられない。

WORLD

ー歳 Saiー

「歳」という国は3000年も昔、「龍神」により形成された人民国家である。最も広大な大陸に在し、東は海洋、西は山脈が広がる。南には広大な原生林が存在し、北は高原と雪原に囲まれている。広大で資源の豊富な国家であり、国内で生産・供給が行えている。

且つて自然豊かな土地があった。そこには幾万もの獣が暮らしていた。ある時、木を伐り、山を削り、川を濁し、獣を狩る人が現れた。獣は成すすべなく数を減らしていった。

ある日、天の裂け目より「龍」が現れた。獣は龍を神の使いと思い、人を追いやる術がないかとすがった。龍は獣に加護を与え、獣とともに人と戦った。

そして、人を追い払うと龍は「歳」という「獣の国」を建国し、龍は「龍神」として崇められた。

龍は願えば何でも形にできた。そして獣を自分と同じ姿にしようと願った。

龍は獣を耳と尾のある人の形へと変えた。

そしていく年も過ぎ、龍が代替わりするたびに獣はより人に近くなり、最後には「人である」と認知するにまで至った。

昨今の「歳」では建国の話は神話として語られ、龍も熱心な信奉者くらいしか存在を肯定していない。神話も忘れ去られた普遍的な現代社会。獣の心を持つものはいない。「人の国」。

が、それは「歳」の住民からの差し引いては「人の真似事をする異形」の者からの一方的な主張である。我々人類はこの「獣の国」に対し脅威と認定、排除を決定する。

ー評議会ー

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WORLD WORD

​人と相違ない姿をしているが、願ったものを実現できる、魂を輪廻させる、長寿といった異常性がある。「歳」では主神とされ、「蛇属」により祀られている。龍は胎生であり、雄しか生まれない。番として、蛇属の女性又は女性と同様の機能を施した男性が当てられる。龍としての力が完全に覚醒するまで精神が未熟なまま成長するという欠点がある。

リュウ

​east dragon

​狼が所属している東亜系マフィア組織。歳の都市部に組の事務所を構えて活動を行っている。かなり弱小であり、できたてほやほや。朧の父親で政治家である襲(カサネ)の命令で作られた。表向きは歳の裏社会を牛耳る事を目標にしているが、その実歳の内部で発生した脅威の排除と異分子の排除を行っている。が、ほぼ発生しないため表向きの目標をメインに活動している。弱小である者の、メンバーの実力は桁が外れているため殴り込みや防衛はめっぽう強い。

​紅龍組

コウリュウグミ

Kou-ryu group​

はるか昔より人類に対して有害で且つ、人類の滅亡の危機に発展する恐れのある事象を「脅威」と呼んでいる。人類は脅威に対し、評議会を設立し、「グレイプニル」をはじめとした特殊部隊で対抗している。鎮圧に成功した脅威はいくつもあるが、現在深海からの脅威である「浸食」が想定以上の急速な進化により猛威を振るっている。人類がすべて「浸食」されるのはさほど遠い未来ではないだろう。

脅威

キョウイ

menace

50年ほど前に「獣の国」を鎮圧した際に回収された資料。形式は十数冊の業務用ファイルである。紅龍組というマフィアめいた組織の売上、業務方針、事業等が細かくまとめられている。獣が人の振りをしていた事に対する重要な資料として評議会の禁書庫に保管されている。近年ファイルのなかから、手書きの随筆が書かれた冊子「狼と鼬」が見つかったため、再度調査されている。

​紅龍眷属亜譚

コウリュウケンゾクアタン

​red dragon's kin record

​神話時代に龍とともに戦った9つの獣の事。元々は土地にいた神威のある獣。それぞれ司るものがあるが、代替わりするごとに神威もなくなり元来の使命も忘却されたものがほとんど。現在、組に所属する者は眷属の末裔。

龍の力により、古に戦った獣の魂を現在の眷属に転生させている。

​眷属の一人は人になる際に抵抗したため、形は崩れ不老不死となった。古から今もずっと生きているが精神は崩壊しており、他を混乱させる恐れがあると地下に幽閉されている。

眷属

ケンゾク

kin

蟒が創作した小説。彼が思い描いた「こうだったら面白いだろう」という組での出来事を書いた妄想物語。

所謂「IF」。IFとして描かれたものはすべて彼が書いた手記に記載されたものとされる。手記の中では過去も未来も運命も変わる。

​蟒の手記

オロチノシュキ

Orochi's note

歳国境付近での警備勤務の事。表向きな仕事は巡回警備となっているが、その実は外界から襲撃してくる人類や脅威に対しての排除を行っている。外勤を行っているのは、歳の警備隊と紅龍組の組合員。特に組合員の眷属の参加は必須であり、古の戦いでの勝者として縁起担ぎを担っている。​常に外勤を行っている烏と虎であるが、時折休暇を満喫する際に他の組合員が臨時で外勤に当たることがある。

外勤

ガイキン

Outside work​

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